欧州自動車メーカーへのセールスに活用
論より証拠
そのお客様は、とある自動車メーカー向けにECUを売り込む事になりました。新しい車種に採用される事にでもなれば、かなりの利益を見込む事が出来ます。そのために、まずはプレゼンをしなくてはいけません。早速一通りの資料を用意し、自動車メーカーの担当者さんに説明を行います。
そんな時、自動車メーカーの担当者さんからこんな質問が。
「このスイッチを押した後、次にこのスイッチ押す。その時、どんな動作(表示と出力)をさせたらいいだろう?
どうしたらお客さんにとって、最も理解しやすい表示になるか?どうしたら、安全かつ快適な動作となるか?これを確認したい。
実は、私たちも決めかねている。」

「論より証拠。シミュレーションしてみれば分かる」
つまり、このスイッチを押し、次にあのスイッチ押したらどう振舞うか?これをシミュレーション結果を元に説明しなければいけないとの事です。なんとか先方を納得させないといけません。そこでお客様は、次のような物を用意されたそうです。
動かして、見せる
まず第一に、制御モデル。これはECUの振る舞いをモデルで表現したものです。自動コード生成できるレベルでなくても、とにかく仕様をきちんと表現できていればOKとの事です。


しかし、しっかりとしたGUIを作りこむ事で、与える印象が全然違うそうです。GUIにて、先方のクルマのイメージにあわせたパネルを作成する。スイッチを押したらどうなるのか?クルマの中では何が起きているのか?すべてが直感的に理解できるようなGUI。たしかに、あったほうが良いには違いありません。でも本当の本当にそうなのでしょうか・・・?
思い切って、お客様に聞いてみました。
「自動車メーカーさんは、モデルについて十分に知識があります。あえてGUIを作らなくても、モデルをそのまま動かすだけでも十分では?本当に、GUIってあった方がいいのですか?」
すると間髪を入れずにお客様は言われます。
「もちろんだよ!」
お客様はさらに続けます。たしかにモデルを見せただけでも、ある程度の事は分かってもらえる。しかし、このスイッチを押し、さらに別のスイッチを押したらどうなるか?この手の仕様には誤解がつきもの。
だからサプライヤー側は、自分なりの理解を元にモデルに実装する。そしてそれを、GUIという形で自動車メーカーさんに見てもらう。サプライヤー側が何か誤解をしていたとしても、モデルだけ見ていては気がつかない。こういうものは、GUIを動かしてみないと気がつかないものなんだ、と。
そう言われると、確かにそう思えてきます。しかし、仕様の誤解は、サプライヤー側が気を付けていればなんとかなるんじゃないでしょうか?
いや、そうではない。とお客様は言います。誤解が発覚する度に、自動車メーカーさんと一緒に確認をします。その時、自動車メーカーさんはこんな事を言われるそうです。
「たしかに、そう誤解するのも当然だね。よし、仕様書を書きなおそう」
このように、仕様書そのものが完璧なものではありません。結局、誤解無く商談を進めるにはGUIベースで、動かして、見せる。これしかない、という訳です。そこで、そのお客様は次のような事をされました。
手間無く、見た目良く
お客様の、本来の業務はECUの売りこみ。決してGUIの作成などではありません。そこでGUIを1から作るような事をする代わりに、GUI構築ツールとしてOpenPLATEをご採用いただきました。
OpenPLATEを使用したGUIの構築は簡単です。まずOpenPLATEのテンプレートを開いて、そこに色々なGUIパーツを配置していきます。配置はドラッグ&ドロップのみ。もしもパーツの見た目を変えたければ、画像ファイルを用意してパーツに読み込ませます。これらはOpenPLATEの設定画面に従って操作するだけで全て完了します。最後に、モデル上にOpenPLATEのGUIと通信するためのブロックを配置し、制御モデルやプラントモデルと配線します。
お客様は、パーツ配置後、先方のクルマにあわせてパーツイメージを差し替えました。そうして、出来上がったものを実際に見せていただいたのですが、とても美しいGUIでした。

そしてセールスの行方は・・・
このようなアプローチをした結果、順調にセールスは進みます。
ところが、途中からコンペが現れて対応に追われる事に・・・いくらGUI付きのプレゼンをしたからといって、それで万事オッケーという訳にはいきません。
しかしお客様は、高い技術力を誇る会社。負けてはいません。
最終的には技術力の高さが評価され、無事にセールスは成功。採用が決まったとの事です。
更なる情報は
OpenPLATEの機能について詳しくお知りになりたい方は、OpenPLATE 機能詳細をご覧ください。